「座」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば"日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店"をつくりたいという思いの表れである。
元来、中国で生まれた抹茶は、机を囲み、椅子に座り楽しまれていた。
そして日本に伝わり、武野紹鴎や千利休の働きにより「茶道」が生まれ、床座によって楽しむ「茶」が発展した。
しかし、19世紀には文明開化の波にもまれ、日本の伝統文化が顧みられなくなり、立礼が生まれ、椅子に座って楽しむ茶が発明された。
そこで、この「座」の違いを空間によって表現出来ないかと考えた。
実際には空間の床に勾配を設け、椅子の脚を勾配に沿って短くしていく。(同時に足が入る部分は掘りごたつ状に深い開口になっていく)
その結果、椅子に座る行為や目線の変化自体はおこさず、椅子座から床座の変化を体験出来る。
「現代の茶室」であるnana's green tea札幌PARCO店では、「茶」の歴史を感じて頂ければと考える。
- 業種:カフェ
- 住所:札幌市中央区南1条西
- 3丁目3番地 札幌パルコ 5階
- 広さ:64.4坪
- 座席数:86席