新宿三丁目交差点を目と鼻の先に臨む路地裏に、そっと店を構えるのがこの「馳走風々」。名立たるホテルや日本料理店で腕を振るってきた料理長がつくりだす、まるで芸術品のような美しい懐石料理を楽しめるお店です。
世界無形文化遺産にも選ばれた和食の空間であることを踏まえ、プランニングの際は、店内意匠のディテールに歴史あるデザインを取り入れることで、何十年と時を経ても格式と味わいを感じられるようなお店づくりを意識しました。
まず全体は白木をメインに用いて品のある高級感を演出。天井や建具の一部など、ポイントとなる箇所には網代格子で空間に質感を持たせました。
ヒノキのカウンターテーブルと厨房の間には、日本古来の木材加工技術である名栗の板で少々の「間」を設け、お互いの距離感に心地よい緊張感をつくりだしています。その奥に見える、このお店の最大の魅せ場である厨房中央の竈と炭焼き場は、白木の雰囲気とは打って変わって、迫力と重量を感じるタイルで視覚にインパクトを。品だけでなく程よい派手さも兼ね揃えることで、空間に華を添え、印象に残るお店になることを意図しています。
入り口扉の組子の建具の、見えそうで見えない粋さ。ひょうたん型の取っ手の繊細さ。そうした遊び心も、華やかで心躍る料理と一緒にぜひ楽しんでみてください。
- 業種:和食店
- 住所:東京都新宿区新宿
- 3-6-2 栄ビル3F
- 広さ:21坪