夕暮れ時、そっと灯りがともり、まるで「おかえりなさい」といわれているかのような店構えが印象的。大阪市の新福島駅ほど近くにオープンした焼鳥屋「鳥匠いし井」さん。オープン間もなくして、予約が取れにくい人気店です。
今回、一番時間をかけたのはレイアウト。正方形に近い店内は入口もないスケルトンの状態からのスタートという事で、幾通りものパターンが考えられました。
オーナー様とは何度も何度もレイアウトの打合せを重ね、やっと辿り着いたL型カウンターが際立つ店内。入口ドアを開けると檜のカウンター、焼台の前に立つ大将、背面に並ぶメニューの木札が一挙に見渡せます。
お客様との対話を大切にされるオーナー様のこだわりで、焼台の前にフードやガラスを用いない特殊な方法を採用し、調理される手元まで見えるほどの低いカウンターは寿司屋と間違えられる程の高級感が漂います。料理が際立ち、食事をされるお客様にスポットがあたるように照明配灯には特に気を遣いました。スッキリとした空間でありながらも、ポイントにワラスサ入りの左官材や墨入りモルタルを使用したり、木目の強い化粧板を使用する事で躍動感のある意匠に。ディスプレイなどにもオーナー様の細部に渡るこだわりが表現されています。
オーナー様の人柄に思わず本音をぽろりと話したくなる、温かみ溢れるお店となりました。
- 業種:焼鳥店
- 住所:大阪府大阪市福島区福島
- 2-3-23
- 広さ:12.85坪