とあるマンションの一室にひっそりとお店を構える割烹料理店。提供メニューは、コース一種類のみ。一品一品丹精込めて作られた料理と、それに合わせた日本酒とのマリアージュを楽しむことができるのがこちらのお店の売りとなっています。店内に足を踏み入れると、寺院や和室など日本建築様式に見られる丸窓から店主の顔が伺えます。ぼんやりと淡く漏れる光に胸高鳴りながら、奥へと進むと無垢の一枚板カウンター席が現れます。繊細で、一目で美しいと感じさせるそのカウンターは今回最もこだわったポイントでした。
そのカウンターの魅力を最大限に引き立たせるため、客席側はブラックアウトであえて暗くしています。そして、厨房側は間接照明パネルで陰影をつけることで、手元に出される料理、食事を楽しむお客様、腕を振るう店主の存在感をもより際立たせ、表情豊かな空間をつくりました。
約7.5坪という広さの課題もあった今回。お客様とお客様、お客様と店主、程よい距離感を作り出すことを心がけ、何度も検証を重ねていきました。結果的に、「紹介制でコースは一種類のみと格調が高いけれど、インテリア的にはかしこまりすぎない居心地の良い隠れ家」という今回のコンセプトに合ったお店へと仕上げることができたと思います。
- 業種:割烹料理
- 広さ:7.5坪